ジュエリーの弱点となる要素とその対処法について
皆さんは、ジュエリーは放っておいても半永久的にその美しさを保ってくれるものだと考えていませんか?しかし、購入した時点ではとても美しかったジュエリーですが、実は様々な要因で、簡単にダメになってしまうものなのです。例えば、鉱物の中で最も硬いと言われるダイヤモンドですが、絶対に割れないどころか、ちょっとした衝撃でも当たり所が悪ければ意外と簡単に割れてしまうのです。
今回は、意外と無視されやすい宝石が持つ弱点についてご紹介したいと思います。
ジュエリーが持つ弱点について
それでは、ジュエリーが持ついろいろな弱点についてご紹介しましょう。もちろん、ジュエリーの弱点と言っても、あしらわれている宝石によって注意点は異なります。以下を参考に、どういったことに注意すれば大切なジュエリーが長持ちするのか覚えておきましょう。
衝撃について
ジュエリーとして加工されるような鉱物は、基本的に硬度7以上の比較的硬い物が多いです。これは、最低でも石英程度の硬度を持っていなければ、ほかの物質でひっかいた際に、簡単に傷が入ってしまうためです。
しかし、宝石の硬度として一般的に知られているモース硬度は、ひっかきのストレスにどの程度の強いかを示しているだけで、ハンマーのようなものでたたくなど、衝撃に対する強さ(へき開)をあらわしているわけではないのです。上述したように、モース硬度10と、鉱物の中で最も硬いと評価されるダイヤモンドにしても、割れない物ではなく、壁にたたきつけた程度でも割れてしまうものなのです。したがって、ジュエリーを管理するには、こういった衝撃に注意する必要があります。
つまり、ジュエリーを踏まない、叩かないは当たり前で、指輪を付けたまま掃除をしない、スポーツをしないなど、日常生活でも注意することが少なくないのです。こういった注意に関しては、何か作業しているうちに宝石をとめている爪やベゼルがゆがんでしまい、宝石が落下して傷ついてしまう可能性があるためです。
なお、ジュエリーを保管する際にも、他の宝石とぶつからないよう、きちんと区切るようにしましょう。
汗・皮脂
これは、ジュエリーを身に着けると完全に防ぐことはできませんが、ジュエリーにとって、汗や皮脂は劣化の原因となります。例えば、ジュエリーとしても身に着けることが多いダイヤモンドは、親油性という油が付着しやすい性質を持っています。そのため、表面をべたべた触ってしまうと、光の反射が低下してしまい、ブリリアンシーが失われてしまうのです。
したがって、宝石を使用した後には、キチンと汚れを拭き取ってから保管するようにしなければいけません。特に、貴金属部分は、汗や皮脂によって黒ずみが出たりしますのでジュエリー自体の美しさを損なう原因となってしまいます。
硫黄
普段の生活の中ではあまり硫黄に触れる機会などありませんが、温泉旅行などにいけば、温泉に含まれている可能性が高いですよね。その為、大切なジュエリーであればあるほど、温泉に入るときには外してから入るべきだと言われるのです。
硫黄がジュエリーの弱点になる理由は、銀と反応したときに、硫化銀という化合物に変化し、黒ずんでしまうからです。こう聞くと、金やプラチナなら大丈夫と思うかもしれませんが、純度100%の金やプラチナがジュエリーに利用されていることはほとんどありません。基本的に指輪などのジュエリーに利用される金やプラチナは、25%が銀や銅を使われた合金となります。その為、温泉などに着用したまま入ってしまうと、変色してしまうリスクがあるのです。
紫外線
紫外線も銀を黒く変色させてしまう原因です。さらに、宝石の中には長時間紫外線を浴びると、紫外線を吸収して変色してしまうものもあるのです。
こういったジュエリーは、使用していない場合、きちんと光が当たらないようにジュエリーボックスに入れて保管するようにしましょう。
まとめ
今回は、ジュエリーの美しさを長く保ちたいと思うなら、ぜひ知っておきたいジュエリーの弱点についてご紹介しました。本稿でもご紹介したように、ジュエリーは何気ない日常生活の中にも、その美しさを奪ってしまう原因がいろいろとあるのです。したがって、長く大切な宝石を美しく保ちたいのであれば、しっかりと宝石毎の弱点を把握しておき、弱点に対する対策をしっかりとしなければいけません。
基本的には、使用後にはきちんと拭いてクリーニングする、保管はジュエリーボックスに入れるなど、お手入れをしっかりとしておくだけで問題ありませんので、「ジュエリー使用後はお手入れする」という習慣づけをしっかりしましょう。