ダイヤモンドをお手入れするときの注意点。硬いからテキトーはNGです!
今回は、勘違いしている人が多い、ダイヤモンドのお手入れについてご紹介したいと思います。ダイヤモンドと言えば、鉱物の中でも特に硬いということが有名で、「ダイヤモンドは強い宝石だから、壊れにくい・汚れない!」と思っている人が多いのではないでしょうか?しかし、このイメージは間違っており、ダイヤモンドも取り扱い方を知らなければ意外と簡単に割れてしまいますし、普通に汚れることなど当たり前なのです。
そこで今回は、
大切なダイヤモンドを長く美しく保つために注意しておきたいポイントについてご紹介していきたいと思います。
意外と知らないダイヤモンドの特長
ダイヤモンドは、世界一硬い石などと言われることもあり、テキトーに扱っていても問題ない宝石だと考えられがちです。確かに、宝石の中でも特に硬いという特長を持っているのは事実ですが、絶対に割れないということではありません。ここでは、皆さんがあまり知らないダイヤモンドの特徴についてご紹介します。
ダイヤモンドは意外と割れる
ダイヤモンドは炭素で構成されており、炭素同士の結びつきが非常に強いため世界一の硬さを持つと言われています。
しかし、ダイヤモンドは『劈開性(へきかいせい)』があるという弱点を忘れてはいけません。劈開性とは、物質は規則的な原子配列によって、強い方向と弱い方向があるという特徴で、弱い方向から力が加わると簡単に割れてしまうというものです。そのため、ダイヤモンドは、机などにぶつけた時に意外と簡単に割れてしまい「偽物をつかまされた…」なんて疑問を持つ人がいるのです。しかし、これは偽物なのではなく、ダイヤモンドの特徴です。
ちなみに、劈開性を持っていることで、ダイヤモンドが綺麗に加工できると言われることもあり、単純な弱点とは言えません。
ダイヤモンドの熱に対する強さ
ダイヤモンドは硬いということ以外に、熱に対する耐久性も非常に優れているという特徴があります。空気中でのダイヤモンドの燃焼温度は800℃以上で、800℃を超える熱が加わると初めて石墨化が始まるのです。したがって、日常生活の中である熱に対しては何の問題もないでしょう。ちなみに、酸やアルカリにも強いです。
ダイヤモンドは親油性がある
ダイヤモンドは、親油性と呼ばれる「油が付きやすい性質」を持っています。これがダイヤモンドが汚れる原因ですね。しかし、日常生活で使用する、ヘアスプレー、除光液、重曹、漂白剤などの化学薬品には非常に強いため、油が付着してしまっても洗剤を利用して洗い流せば汚れを落とすことが可能です。
ダイヤモンドの洗浄について
ダイヤモンドは、着用していると皮脂や汗などが付着してくもってしまうことがあります。その場合、ダイヤモンド特有の輝きが失われてしまうので、洗浄が必要になります。ダイヤモンドの洗浄自体は、上述したように化学薬品に強いため洗剤を使用して洗うことができます。しかし、注意が必要なのは、指輪などの爪が緩んでしまっている場合、洗浄中にダイヤモンドが取れてしまうことがあるということです。したがって、洗浄前につまようじなどで軽くダイヤモンドを押してみて、きちんと固定がなされているか確認しましょう。
なお、超音波洗浄は、ダイヤモンドが割れてしまう可能性があるので、使用しない方が良いです。
ダイヤモンドの洗浄手順
ダイヤモンドを洗う時の手順を簡単にご紹介します。
STEP1 洗浄液を作る
洗面器などにぬるま湯と台所用の液体洗剤を入れ、しばらくつけ置きしておきましょう。
STEP2 柔らかいブラシで擦る
軽い汚れはつけ置きで汚れが浮きますが、細かな部分についた頑固な汚れはコスメブラシなどで擦りましょう。
STEP3 洗剤を洗い流す
汚れが落ちたら、流水で洗剤を洗い流しましょう。この時、排水口に落としてしまわないよう、網目の細かいザル等の上で洗い流しましょう。
STEP4 乾燥させる
柔らかい布などで優しく水分を拭き取ってください。ダイヤモンドは熱にも強いのでドライヤーを使用しても問題ありませんが、ネックレスチェーンや指輪の金属が熱を持つので注意しましょう。
ダイヤモンドを洗浄するときの流れは上記のような手順です。きちんと乾燥できたらジュエリーボックスなどに保管しておきましょう。保管時は、他の宝石とぶつかるような保管をしてしまうと、ダイヤモンドに傷はつきませんが、一緒にいれた宝石に傷が入ることがあります。したがって、ジュエリーボックスはきちんと個別に保管できるような作りになっているものを選びましょう。
まとめ
今回は、意外と勘違いされていることが多いダイヤモンドの特徴や、お手入れについてご紹介しました。ダイヤモンドは、非常に硬いという情報ばかりが先行してしまい、それを聞いた人が「ダイヤモンドは硬いから絶対に割れない!」「お手入れも必要ない!」などと間違ったイメージを持ってしまっていることが多いです。しかし、本稿でもご紹介したように、ダイヤモンドは硬いのは事実ですが、決して割れない宝石ではありません。それどころか、弱点方向からの力が加わった場合には、思っているより簡単に割れてしまうものだと覚えておきましょう。
また、親油性が高いという特徴のため、お手入れをしない場合、表面がくもってしまうことも少なくありません。その場合には、ダイヤモンド本来の輝きを楽しめなくなってしまいますので、しっかりとお手入れは欠かさないようにしましょう!