ときどき見かけるH&Cってなに?

最高の輝きを持つ「ハートアンドキューピッド」ダイヤモンド

カットが優れているダイヤモンドにつけられる”ハートアンドキューピッド”という呼び名。キレイにカットされているので、ハートの形や矢の形が見えることで有名ですね。この名前を耳にしたことはあるけれど、詳しいことはよく分からない…という方もいらっしゃると思いますので今回は、ハートアンドキューピッドについてご紹介していきます。

「ハートアンドキューピッド」って?

写真はダイヤモンドをクラウン側から、右の写真はパビリオン側から特別な条件で撮影したものです。
このように綺麗で正確な8つのアロー(矢模様)とハート像がくっきりと観察されるようなものをハートアンドキューピットと称し、CGLやAGTのダイヤモンドグレーディングレポート(鑑定書)にサブレポートが付属します。

鑑定書写真の矢やハートの模様部分にインクルージョンが映っているものがありますが、ダイヤモンドには基本的に必ずどこかにインクルージョンが存在するのでその事が理由でそのダイヤモンドの良し悪しを決まるものではありません。

大量に出回っておりますファッションリング、アクセサリー用途のものは、殆どの場合が1ピース0.1ct未満や、形がかなりずれている事から、正式にはハートアンドキューピットとは言えません。

『ハート&キューピッド™』は中央宝石研究所の登録商標

『ハート&キューピッド』は中央宝石研究所の登録商標です。ただしカットグレード最高クラスのエクセレントでなくてもハート&キューピッドは現れます。確かなハート&キューピッドを望むのならば中央宝石研究所の鑑定が付いているジュエリーを選びましょう。しかし、ハートキューピッドを選ぶか、付いていないエクセレントを選ぶかは究極ですね。

アローを確認するには特殊なスコープが必要!

下の写真のような機械を使用するとテーブル面からはキューピットの矢(アロー)、パビリオン側からはハートの模様が見られる”ハート&キューピッド”を見ることができます。

GSペット(ハートキュースコープ)
ハート&キューピッド(H&C)はダイヤモンドを専用のスコープで見た際に、裏面にハート表面に矢の模様が浮かびあがるものを指します。
左画像の様な超小型ジェムスコープを使うと、ダイヤモンドの上質なカットの美しさが驚くほどクッキリ見えますので、いつまでも楽しめますね。

他にも特別なカット名はあるんです!

『ハート&キューピッド™』以外にも、独特な名前のついたカットは多数あるので、その一部をご紹介します。

さくらダイヤモンド

さくらダイヤモンドは通常のラウンドブリリアントカットの58面体ではなく、10角形87面体にカットされているものです。
そのため、さくらの花びら5枚を美しく表現するために、正確な対称性を創り出す高い技術と手間がかかります。
さくらダイヤモンドの特別なカットは、EU(ヨーロッパ共同体)、アメリカ合衆国、韓国、日本において意匠登録を取得しているオリジナルカットです。

Wish upon a starダイヤモンド

これは二つの美しい星が見えるプレミアムカットです。単純ように見えて、二つの星を浮かび上がらせるのには高度な技術が必要です。地上最古のダイヤモンドは、60億年前に出来たもの。50億年前の地球誕生よりはるか昔から、宇宙空間を漂っていて、ダイヤモンドは“星”だったという逸話もあります。この逸話から「夢をかなえるダイヤモンド」とも言われています。

ロイヤルアッシャーカット

ロイヤル・アッシャー社のオリジナルカットです。これは1902年に生まれた「アッシャー・カット」をベースにしたもので、74面のファセットから導かれるダイヤモンドの輝きは、これまでのダイヤモンドにはない強さを秘めており、高い透明感と品を備えています。
ダイヤモンドの側面である「ガードル」部分には、クラウンマークと「ROYAL ASSCHER CUT」の文字、シリアルナンバーがレーザーによって刻印されています。

ハート&キューピッドはカットの種類!

今回はときどき見かけるH&C(ハートアンドキューピッド)についてご紹介しました。H&Cは優れたカットを表す名称の一つだったんですね。さらにH&C以外にも優れたカット方法には名前がつけられています。ぜひ、ハート&キューピッド ダイヤモンドをひとつ持ってみてはいかがでしょう!

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