カットが優れているダイヤモンドにつけられる”ハートアンドキューピッド”という呼び名。キレイにカットされているので、ハートの形や矢の形が見えることで有名ですね。この名前を耳にしたことはあるけれど、詳しいことはよく分からない…という方もいらっしゃると思いますので今回は、ハートアンドキューピッドについてご紹介していきます。
写真はダイヤモンドをクラウン側から、右の写真はパビリオン側から特別な条件で撮影したものです。
このように綺麗で正確な8つのアロー(矢模様)とハート像がくっきりと観察されるようなものをハートアンドキューピットと称し、CGLやAGTのダイヤモンドグレーディングレポート(鑑定書)にサブレポートが付属します。
鑑定書写真の矢やハートの模様部分にインクルージョンが映っているものがありますが、ダイヤモンドには基本的に必ずどこかにインクルージョンが存在するのでその事が理由でそのダイヤモンドの良し悪しを決まるものではありません。
『ハート&キューピッド』は中央宝石研究所の登録商標です。ただしカットグレード最高クラスのエクセレントでなくてもハート&キューピッドは現れます。確かなハート&キューピッドを望むのならば中央宝石研究所の鑑定が付いているジュエリーを選びましょう。しかし、ハートキューピッドを選ぶか、付いていないエクセレントを選ぶかは究極ですね。
下の写真のような機械を使用するとテーブル面からはキューピットの矢(アロー)、パビリオン側からはハートの模様が見られる”ハート&キューピッド”を見ることができます。
『ハート&キューピッド™』以外にも、独特な名前のついたカットは多数あるので、その一部をご紹介します。
さくらダイヤモンドは通常のラウンドブリリアントカットの58面体ではなく、10角形87面体にカットされているものです。
そのため、さくらの花びら5枚を美しく表現するために、正確な対称性を創り出す高い技術と手間がかかります。
さくらダイヤモンドの特別なカットは、EU(ヨーロッパ共同体)、アメリカ合衆国、韓国、日本において意匠登録を取得しているオリジナルカットです。
これは二つの美しい星が見えるプレミアムカットです。単純ように見えて、二つの星を浮かび上がらせるのには高度な技術が必要です。地上最古のダイヤモンドは、60億年前に出来たもの。50億年前の地球誕生よりはるか昔から、宇宙空間を漂っていて、ダイヤモンドは“星”だったという逸話もあります。この逸話から「夢をかなえるダイヤモンド」とも言われています。
ロイヤル・アッシャー社のオリジナルカットです。これは1902年に生まれた「アッシャー・カット」をベースにしたもので、74面のファセットから導かれるダイヤモンドの輝きは、これまでのダイヤモンドにはない強さを秘めており、高い透明感と品を備えています。
ダイヤモンドの側面である「ガードル」部分には、クラウンマークと「ROYAL ASSCHER CUT」の文字、シリアルナンバーがレーザーによって刻印されています。
今回はときどき見かけるH&C(ハートアンドキューピッド)についてご紹介しました。H&Cは優れたカットを表す名称の一つだったんですね。さらにH&C以外にも優れたカット方法には名前がつけられています。ぜひ、ハート&キューピッド ダイヤモンドをひとつ持ってみてはいかがでしょう!